2017年11月5日  浜松市民自転車フォーラム2017 開催

 今年の走行会のテーマは自転車による津波避難である。午前10時に有楽街をスタートし、南区の凧揚げ会館までの道のりを馬込川沿いに走る。秋のさわやかな空のもと、馬込川を泳ぐコイやカメ、野鳥を見ながら走ると、浜松にもこんなにいい場所があるんだと再認識できる。
 凧揚げ会館からはいよいよ津波を想定した模擬避難走行である。各自浜松駅までの約5kmを何分で走行できるかを計時する。ただし、普段をかわらない速度で信号など交通規則を守って走っていく。

走行終了後、参加者へアンケート調査を行った。結果を下の表に示す。年齢は20歳代9名、30歳代2名、40歳代6名、50歳代6名、60歳代が4名であった。男性21名、女性6名。自転車の種類はロードバイク4台、ミニベロ4台、電動アシスト1台、MTB2台で、最も多いのがクロスバイクの9台とママチャリ7台であった。参加者のほとんどは中田島から浜松駅までの約5kmを20分程度で走破した。課題としてあげられた最も多いものは、自動車との事故が起きやすくなるのではいかという点であり、11名(約40%)の参加者がその心配を感じた。そのほか、信号機の機能が心配であること、何らかの避難誘導案内が欲しいといった要望もあった。

 午後からは、TBSプロヂューサーであり自転車ツーキニストとしても知られる疋田 智氏の講演会と津波避難に関するパネルディスカッションを行った。疋田氏の講演会では、右側通行の危険性に加え、今年はシェアバイクの話題、そして津波避難での自転車活用について解説があった。シェアバイクの中国での普及や日本のドコモの事例などが紹介されたが、背景にある問題点などもわかりやすく解説された。
 パネルディスカッションでは、まず浜松自転車協会の宮澤より趣旨説明を行い、その後、元南区長の中村久仁茂氏、浜松市危機管理課の津波対策担当課長の刑部晶彦氏、上記の疋田 智氏を交えて津波避難における自転車活用の可能性について論じあった。天災である地震と津波は予測不能の側面も多く、かならずしも考えたとおりにはいかないであろうが、自動車避難を少しでも緩和するためにも、徒歩より少しでも速く避難するための手段として自転車も念頭に入れた対策を講じていくことは決して無駄になるとはいえないだろうという点がこの日の結論であるように受け止められた。